IT開発 担当 デジタルエンジニアリング部 所属 浮間勤務 化学系 専攻

デジタルエンジニアリング部 所属 IT開発 担当 浮間 勤務

化学系 専攻

入社の動機・経緯

ERPパッケージの導入を機にIT系業務を担うようになりました

学校では基礎工学部合成化学科で物理化学を専攻、卒業後は、ロシュ・グループ(当時の日本ロシュ)に就職しました。製薬会社を選んだのは、子どものころから病気がちだったため、幼い頃から医者になるか製薬関連の仕事につくかを考えていて、その夢を叶えました。
10年ほどは開発、合成、培養、分析などに携わり、製造管理責任者になりましたが、2002年にロシュ・グループが中外製薬と戦略的アライアンスを締結、この頃に私はサプライチェーン構築のためのERP(Enterprise Resources Planning基幹系情報システム)の導入プロジェクトに携わったのを機に、IT系業務を担うことが増えていきました。
2006年に製造に特化した中外製薬工業が設立されるとシステムを2社に分割する業務にも携わりました。2019年からは中外製薬工業の専任となり、2022年に新設されたデジタルエンジニアリング部の業務に取り組んでいます。

現在の所属部署・役割

IT開発

デジタル化では全体を統一するストラテジーのもとに横串を通すシステムが必要

デジタル化(IT化)は、かつてのようなコスト削減、人員削減の手段ではなくなり、付加価値拡大のためのものに発展しました。医薬品製造で言えば、多種多様な業務がシステム化され、全体が統合され、データが記録、整理されて、最終的には品質保証がこれをチェックして出荷に至るまでを無駄なく迅速に実行することが求められています。
これを実現するには、部分最適では不十分で、全体を統一したストラテジーのもとに、横串を通すシステムが必要です。当社はこうした発想でデジタル化を進めてきました。
中外製薬工業のIT・デジタル関連業務、設備や建設を担うエンジニアリング業務、環境やエネルギーを手がける業務は、現在とは異なる部署に分散して行われていました。
しかし今日のエンジニアリングはコンピュータシステム抜きには考えられません。環境施策も排水量、エネルギー使用量、CO2排出量などのデータを詳細に集め、分析することはシステムなしでは不可能です。
そこでDE部を設立し、全社規模でデジタル、エンジニアリング、環境の三分野を推進していくことになったのです。

関連する仕事紹介

自分の業務・やりがい

デジタルエンジニアリング部 所属 浮間勤務 化学系 専攻

多くの人の力を合わせてプロジェクトを推進、大型新薬の承認申請に成功

私がこれまで携わって来た仕事を振り返ってみると、グローバルな潮流に触れる機会が数多くありました。
ドイツの世界的なERPパッケージなどの導入などを通じて、日本とは違う仕事のしかたやシステムの考え方に触れることもできました。
特に印象的だった仕事の一つが、データインテグリティ(データ信頼性担保)のプロジェクトのリーダーを務めたことです。中外製薬で開発した新薬をアメリカの規制当局に承認申請するために必要な仕事でした。
大型新薬のため大変重要な仕事でしたが日本ではほとんど例がなく、ロシュ社の協力を得て、無事、承認を得ることができました。
IT部門だけでなく、製造、倉庫管理、品質管理などの現場の多くの方々が力を合わせたからこそ達成できたことだと思います。この仕事では中外製薬の社長賞をいただくことができました。

システム企画、システム開発、ITQAという三つの仕事を担っています

現在の業務は三つに分類できます。まず、開発前の事前検討や準備を行う「システム企画」。システムの発展は速く、ベストだと思っていたシステムが5年もすれば古くなります。
ですから最新情報を把握して最適のシステム構成を考えなくてはなりません。第二は「システム開発」です。これには製造、倉庫など設備や機械に接続されるシステムと、基幹システムなどの設備に直接接続されないシステムがあります。
いずれもベンダーや建設会社と議論しつつ、ストラテジーに沿ったシステム構築を行います。第三は「ITQA(IT品質保証)」、つまり品質保証を考慮したITの導入や運用で、開発手順やGMP(Good Manufacturing Practice)などに適応したシステムにする支援とも言えます。
例えば海外では医薬品にシリアル番号を付与し、追跡できるようにしています。日本にもそういう日が来るかもしれません。そうした情報を知っていれば、システム更新などのとき、反映させることもできます。
今、日本では海外ベンダーの製品の採用が増えていますが、これもグローバルな法規制などに対応しやすいことが大きな理由です。国際基準にはGMPのほか、GDP(Good Distribution Practice)、GCP(Good Clinical Practice)などいろいろありますが、システムがこれらへ対応することは今後、極めて重要になるでしょう。DE部ではそのための研修や説明会も実施しています。

展望とメッセージ

個々の業務と、企業活動全体をつなぐ発想が必要

中外製薬工業には、自分から求めていけばいろいろなことにチャレンジできる環境が整っていると思います。またロシュ・グループとの協働や連携は、グローバルな視点を養う良い機会になると思います。
デジタル関連業務については多くの人に参加していただきたいですね。製造、品質管理などの製薬の業務を経験したうえでITに取り組むと、システムをより実態に則して理解でき、学びやすいのではないかと思います。
一方、IT一筋で来てから製薬の業務を学び、それをシステムに反映させたいという人は、全体に横串を通し、ITインフラを構築するような仕事がしやすいでしょう。私はどちらも必要だと思っていますし、いろいろな方に来ていただきたいと思っています。いずれもOJTで一緒に学びながら力を高めていきましょう。
新薬開発から製品化までにはさまざまな困難がありますが、多くの方に入社していただき、患者さんのために力を尽くしていただけることを願っています。

※担当・勤務先は取材時(2022年10月)

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