スムーズな技術移転を実現する 生産技術研究部

実験室から工場への道筋を作る

当社は、中外製薬の研究部署から原薬や製剤の製造プロセスの技術移転を受け、これを工場での生産に発展させ、安定供給につなげています。
生産技術研究部は技術移転に伴う課題の解決、必要な設備の判断などを行い、技術力を向上させるとともに、それに続くCMOへの技術移転の実施、管理、支援にも携わります。

※: 医薬品製造受託機関(Contract Manufacturing Organization
実験室から工場への道筋を作る生産技術研究部を示す図

生産のための技術課題を解決

生産技術研究部は、中外製薬で開発された医薬品を当社の生産に連携させるという点で重要な役割を担っています。当部署のMSAT(Manufacturing Science and Technology)という通称からもわかるように、この連携における技術的課題の解決には生産技術の知識や経験だけでなくサイエンス力が必要です。
中外製薬の研究部署が実験室(ラボ)で開発した製造プロセスを工場規模に拡大しようとすると、スケールアップ・エフェクトと呼ばれるさまざまな課題が出てきます。
また新しい課題が発生することもあります。それらの解決には、生産技術の知識や経験に加え、サイエンスに特徴的な発想や探究の力も求められます。
そこで生産技術研究部では、研究部門との連携を通じて鍛えたサイエンス力を武器とし、また工場規模へのスケールアップや生産の初期段階の課題解決で得られる知識や経験を力に変え、生産技術課題の解決に取り組んでいます。
このように組織として蓄積した力を、自社工場での生産のみならず、ビジネスパートナーであるCMOへの技術移転や技術移転後の継続的改善活動の中で発揮しています。

生産と科学的探究の両方に携わる

新薬に関わり、チャレンジが多く、おもしろい仕事が豊富にある 生産技術研究部 部長 上野 誠二

中外製薬の研究部門との連携が欠かせない部署であるため、部のメンバーには中外製薬研究部門出身者も数多くいます。ここでの仕事は、中外製薬で開発された医薬品をいち早く、安定的に患者さんに届けるための生産技術と科学的探究の両方に携わり、ものづくりを総合的に経験できる魅力があります。
当社は日本でトップクラスの豊富なパイプラインを持つ中外製薬の生産機能を任されている企業であり、新薬の生産に携わる機会も多く、チャレンジングでやりがいのある仕事がたくさんあります。
それは同時に世界中の患者さんに貢献できる、大きな喜びがある仕事です。当部には、新しいことに積極的に取り組みたい人、自律的でコミュニケーション力があり、さまざまな人との連携を図れる方に来てほしいですね。
私自身がこれまでを振り返って転換点となったのは、自分が開発、初期生産を手がけた注射薬をたまたま身内が使用することになり、開発者ではなく、初めて自らが患者側に立った経験です。
以来、患者さんの立場で考え、使われ方を意識した生産に携わりたいと思うようになりました。この生産技術研究部で、世界中の患者さんに自信をもって届けられるものづくりを担っていきたいと思っています。

※肩書き、役職等は取材時(2022年8月)のものとなります。

中外製薬グループでの中外製薬工業の役割

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