治験薬と医薬品の中心的役割を担う開発・生産拠点 浮間工場
成熟製品と治験薬という二つの軸を持つ開発型工場
中外製薬グループで最も長い歴史を持つ浮間工場は、治験薬製造を担当する開発型工場です。
事業の軸は二つあり、一つは成熟製品であるバイオ原薬および注射剤の安定的生産、もう一つは、新たな技術を導入して行う治験薬製造です。
新しい医薬品を目指して治験薬を生産
浮間工場ではバイオ技術を活かしたさまざまな治験薬を開発、生産しています。治験薬とは、開発中の医薬品を人を対象とした臨床試験に初めて使えるようにしたもので、登録された患者さんに投与し、有効性を検証します。
開発のスピードが求められる一方、未知のことも多いので「どのような製法で作るか」から検討します。将来の量産をイメージしつつ、段階を経る中でより確実な製法へと仕上げていきます。
治験薬の物理化学的性質によっても生産の難易度は異なり、例えば当工場が得意とする抗体医薬は分子量が大きいため、凝集して微粒子が発生しやすいという難点があります。予測できるリスクは回避し、それでも出てきた課題を解決しながら治験薬を製造するのは、非常にやりがいのある事業です。
グローバル水準のバイオ原薬製造棟では新規抗体医薬品の原薬を製造し、それを世界各国に供給しています。2030年に向け、さらに積極的な設備投資を行い、新しい製品、製法を作っていく予定です。
浮間工場では既に上市された成熟製品も手がけています。こちらはスピードもさることながら、安定供給が重要です。当工場では、抗体エンジニアリング技術を駆使して開発したバイオ原薬を安定的に生産し、世界に供給しています。
明るく、楽しく、前向きに働ける環境
革新的新薬の治験薬を新しい製法で製造することは非常にチャレンジングな仕事です。製造に当たっては、事前に起こりうるリスクを回避し、解決して臨みますが、それでも予期せぬ問題やトラブルは発生します。
しかしそれを社員のチームワークで解決することも仕事の喜びになっています。特に浮間工場での製法が、他の工場での製法のベースになることが多いので、責任も達成感も大きいと感じます。
医薬品開発・生産において、新しいこと、難しいことは続々と出てきますが、社員がお互いの強みを活かし協働することで、明るく、楽しく、前向きに働ける環境にしたいと考えています。
この仕事をしていて良かったと感じるのは、医薬品で患者さんの役に立ったときです。患者さんからビデオレターなどで、当社の薬で病気が良くなったことをお知らせいただくこともあり、そうしたときのうれしさは他の仕事では味わえないものだと思います。その気持が仕事への意欲を支えてくれています。