社長メッセージ
グローバルな基準に準拠した医薬品を供給し、世界の医療と人々に貢献する
高い目標を掲げ
世界中の患者さんに貢献し続けるために、
医薬品生産のトップランナーを目指します
中外製薬工業は、中外製薬グループの生産機能を担っています。グローバルGMP※1を満たす最新技術を取り入れた自社生産設備活用とCDMO※2、CMO※3への委託を含む生産活動を通じて、世界中の患者さんに、数多くの治験薬と医薬品を届けています。
近年、中外製薬が創製する革新的な低・中分子および抗体分子は非常に複雑な構造を有しており、求められる製造プロセスや評価方法も高難度化してきています。当社は、そのような高難度の分子を、最速かつ患者さんが求める形で提供する技術とノウハウを有した、生産機能のトップランナーになることを目指しています。
そこで当社は、2030年に世界の生産機能のトップランナーになるという将来像を掲げ、それを達成するためにポーラスターと名づけた五つの指標を設定しました。これらの指標はいずれも非常に挑戦的ではありますが、私たちが現在有している「技術力」、「現場力」そして「価値創造力」という3つの強みを活かし、さらに伸ばすことで将来像に近づいていけると考えています。
※1: | 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(Good Manufacturing Practice) |
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※2: | 医薬品開発製造受託機関(Contract Development and Manufacturing Organization) |
※3: | 医薬品製造受託機関(Contract Manufacturing Organization) |
開発と生産を融合した開発型工場
開発から生産へのスムーズな移行により最速上市を可能にします
当社の特色の一つは、開発と生産の両機能を持ち、この二つをスムーズにつないでいることです。
当社は中外製薬の研究開発部門と協働し、治験薬の製造段階から工場設備における製法や試験法の立上げを一体となって行うことで、シームレスな開発から生産への移行を可能にしています。これにより開発から生産への技術移転の手間と時間を削減すると共に、工場での生産開始時のトラブルを最小限にすることで、最速の製品上市を実現します。
次世代医薬品製造へのチャレンジ
将来の医薬品開発と製造に求められる新規技術・設備を構築します
最重要の使命である医薬品の安定供給を維持しながら、次世代医薬品製造に対する期待に応えるべく、多面的なチャレンジに取り組んでいます。
中外製薬は、2030年に向けてR&D※4アウトプットの倍増を計画しています。また創製する分子が複雑化し、求められる製法や試験法の技術難度も上がってきています。そういった高難度分子の開発増や将来の安定生産などを実現するため、現在、3つの生産拠点(藤枝、宇都宮、浮間)ではそれぞれ、新モダリティである中分子原薬製造棟の建築、バイオ原薬に関しては、デジタル技術やロボティクスを活用した次世代工場の建築や高生産性を実現する設備増強、が進行中です。これら次世代工場はもちろん、既存設備の改良も含めて持続可能な地球環境に配慮した工場への転換の取り組みを行っています。また、FDA※5、EMA※6、PMDA※7などの世界各国の査察に対応し、年々高まるGMPレベルの要求にも応える取り組みを継続しています。
※4: | 研究開発(Research&Development) |
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※5: | アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration) |
※6: | 欧州医薬品庁(European Medicines Agency) |
※7: | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency) |
挑戦を促し、人と技術を育む
社員の主体性を促し、誰もが挑戦できる風土を醸成しています
将来像の実現に向けた数々の革新的な取り組みの中には、活躍と成長のチャンスが沢山あります。取り組みを進める原動力は人です。当社では人を財産と捉え、「人財」である社員一人ひとりが主体的に考え、挑戦することを強く推奨しています。
その行動を促進すべく、改善や新しいチャレンジのアイデアを経営陣に直接提案できるしくみがあり、自分自身の目指すキャリアを申告する制度もあります。また当社独自の技術者育成のための教育・研修制度を導入しています。世界の患者さんと医療に貢献し続けるために、これまで以上に人財育成と技術力強化に力を注いでいきます。
※2024年1月取材