先輩社員達の一日~製造編~

就活生の皆さんが抱く疑問に答えるため、バイオ原薬、低分子製剤、そして最新の設備導入プロジェクトと、それぞれ異なるフィールドで製造職として活躍する若手社員3名が、仕事のリアルや本音を語りました。

※所属および掲載内容は取材当時のものです

一日のルーティンを教えてください

Sさんの一日 バイオ原薬の製造工程責任者

  1. 朝礼

    毎朝必ず朝礼を行い、その日の作業の注意点や重要事項を共有します。週1回は全員参加で、それ以外は工程の責任者と作業者で実施します。

  2. 午前の製造作業

    培養工程では、細胞の状態確認やサンプリング、培地の調製などを行います。無菌操作が必要な作業が多いので、クリーンルームでの作業になります。

  3. 昼休憩

    普段は気の合う仲間と食堂で過ごしてますが、現場作業の時は現場メンバーと。立場関係なくフラットに話せる雰囲気が良いです。

  4. 午後の作業と記録確認

    午後は製造作業の続きと、製造記録の確認作業を並行して進めます。GMPに基づいた厳密な記録管理が必要です。

  5. デスクワークと翌日準備

    製造記録の承認作業や、翌日の作業準備、各種報告書の作成などを行います。

  6. 退勤

Sさん

これが製造期間中の典型的な一日です。
製造スケジュールによって勤務時間には波があります。月20時間程度残業がある月もありますが、早く上がれる時には早く上がり、メリハリをつけて働いています。

Kさんの一日 プロジェクト中心の働き方

  1. メールチェックと一日の計画

    まずメールを確認して、その日の業務の優先順位を決めます。ベンダーからの連絡や社内調整の状況を把握します。

  2. 仕様検討・打ち合わせ

    午前中は集中力が必要な仕様書の作成や、ベンダーとのWeb会議が多いです。設備の細かい仕様を詰めていく重要な時間帯です。

  3. 昼休憩

    日替わり定食の他に、好きなおかずを選べる小鉢も充実しているので、その日の気分でオリジナル定食を作れるのが楽しいです。このボリュームの割にリーズナブル、お財布に優しくて本当に助かります。

  4. 現場確認と調整

    実際に設備が設置される現場を確認したり、製造部門のメンバーと使い勝手を相談したりします。

  5. 資料作成と進捗管理

    プロジェクトの進捗報告資料の作成や、次のステップに向けた準備を行います。

  6. 退勤

Kさん

プロジェクト業務が中心なので、日によって内容は変わりますが、基本的な流れはこんな感じです。決められた時間に現場に入る訳ではなく、ある程度出勤時間は自由なことが多いです。もちろん納期前は忙しくなることもありますが、メリハリのついた働き方をしています。

Yさんの一日 製造支援と改善活動の両立

  1. 当日の作業確認

    チームメンバーとコンテナ洗浄のスケジュール確認と、トラブル対応の有無をチェックします。

  2. 現場巡回とトラブル対応

    製造現場を回って設備の状態を確認します。トラブルがあれば最優先で対応に入ります。

  3. ミーティング

    製造メンバーとトラブル対応や作業の打ち合わせを行うことが多いです。

  4. 昼休憩

    藤枝工場にはテニスコートやサッカー場があるので、仲間とスポーツをしてリフレッシュすることが多いです。

  5. 改善活動「ちいかわ活動」

    週に2〜3回は「ちいかわ活動」の時間です。
    「小さなことから変化を起こすユニット」の略で、Power Platformで業務自動化ツールを開発したりしています。この活動のやりがいは、自部署だけでなく他部署の生産性向上にも貢献できること。課題解決を進める中で、開発スキルやファシリテーションスキルも自然と身につき、自身の成長にも繋がっています。

  6. 報告書作成と翌日準備

    各種報告書の作成と、翌日のスケジュール調整を行います。

  7. 退勤

Yさん

製造支援ユニットの業務は多岐にわたるので、変化に富んだ一日を過ごしています。通常は定時で帰れることが多いですね。トラブル対応時は残業になることもありますが、チームでフォローし合える体制があるので安心です。

仕事で「これは大変だった!」という経験はありますか?

Kさん

私が担当していた製剤の生産量が急激に増えた時が一番大変でした。
増産に合わせて増員もされたのですが、新人教育と増産対応を同時に進めなければならず、現場は本当に多忙でした。
そんな中で、自分の操作ミスで製造を2日間止めてしまったことがあります。生産を止められない状況だったので、本当に落ち込みました。
でも、上司や先輩は誰一人として私を責めず、「設備が壊れたわけじゃなくて良かったじゃないか」「原因を分析して次に活かそう」と、前向きな言葉をかけてくれました。
この経験から、ミスを隠さず報告できる心理的安全性と、チームで解決していく文化が根付いていることを実感しましたね。

Sさん

私も1年目の頃、良かれと思って一人で作業していたら、調製液が入ったタンクを倒して、中身を全部こぼしてしまったことがあります…。
タンクも凹ませてしまい、真っ青になりました。
でも、駆けつけた先輩の第一声が「ケガはない?大丈夫?そんなミス、どうってことないよ!」で。拍子抜けするくらい優しくて、本当に救われました。
この失敗を通じて、些細なことでも必ず周りに相談・報告する「報連相」の大切さを学びました。
また、サポートに関してはメンター・メンティー制度があって、入社後の一定期間、先輩社員がマンツーマンでサポートしてくれます。仕事のことはもちろん、社会人生活の不安なども気軽に相談できるので、とても心強かったですね。

Yさん

私が経験した一番大変だった時期は、当時担当していたソフトカプセル製剤の大量生産期でした。
入社2年目から3年目にかけて、毎日2ロット製造し、土日出勤もある日々が続きました。ソフトカプセル工程だけで40人近くが動いていて、どこか一つの工程が止まると全体に影響が出てしまう緊張感のある現場でした。
正直、プレッシャーで押しつぶされそうになったこともありました。
でも、そんな時に支えてくれたのが先輩たちでした。ソフトカプセル工程では教育体制がすごく整っていて、いい意味で一人で作業させてもらえないんです。必ず先輩がサポートについてくれて、「大丈夫、みんなで乗り切ろう」って声をかけてくれました。
みんなで支え合いながら大量生産をやり遂げた時の達成感は、今でも忘れられません。

職場の雰囲気や環境はどうですか?

Sさん

とにかく和気あいあいとしています。休憩時間には居室でお菓子を食べながらプライベートな話で盛り上がったり、休日には趣味の合う人同士で遊びに行ったり。上司や先輩との壁もなくて、本当に話しやすいです。

Yさん

仲は良いと思います。チームメンバーでキャンプやスノボに行ったりもしますよ。もちろん、そういうのが苦手な人に無理強いはしません。責任者同士の会議では「〇〇さん、最近元気ないみたいだけど大丈夫かな?」といった情報共有もしていて、皆が働きやすい環境を作ろうという意識が強いですね。

Kさん

私たちのチームの空気感は、本当に良いと思っています。プロジェクトに関わるメンバー全員が、大変なことを良くわかっているので、「協力していこう」という姿勢がすごくあります。一つの目的に向かって頑張って、UTAプロジェクトを成功させようという一体感がありますね。

入社前のイメージと実際に働いてみてのギャップはありましたか?

Yさん

入社前は「工場=ルーティンワーク」というイメージがありました。
でも実際に入ってみたら、ただの繰り返し作業ではなく、改善提案など自分の意思を反映できる場面がすごく多い。高専卒ということで少し不安もあったのですが、学歴で判断されることは全くなく、「何を言ったか」で評価してくれる文化だったのは、良い意味での大きなギャップでした。

Sさん

製造は個人プレーが多いイメージだったのですが、実際はチームプレーが不可欠。
一人で作業することはなく、常に先輩が気にかけてくれる環境で、むしろ安心しました。

Kさん

入社前は特に強いイメージはなかったのですが、働いてみて、製造職はチームで助け合いながら仕事が進められると感じました。
個人で黙々と仕事するより、自分に合っているなと感じています。

学生時代のスキルは活きていますか?入社後にゼロから身につけたスキルは?

Sさん

私の場合は生物系出身で、電気や機械の知識に関してはゼロからのスタートでした。
正直、学生時代にもっと工学系の勉強をしておけば良かった、と思うことはありますね。PLCといった制御プログラムの知識や工具の知識は入社してから学びました。今では設備のメンテナンスでPLCのプログラムを修正することもあります。会社が費用を負担してくれる資格取得支援制度もあって、私は「第一種圧力容器取扱作業主任者」や「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」の資格を取りました。手を挙げれば挑戦させてもらえる環境です。
私は入社してから少し苦労しましたが、学生時代に専門知識を得ている機械・電子・工学系の学生さんには大きなアドバンテージがある職場だと思います。

※PLC: 工場の生産設備や機械の動きを、プログラムによって自動的に制御する装置
Programmable Logic Controller
Kさん

大切なのは、学生時代の知識の有無より、「これをやりたい」と手を挙げる積極性だと思います。
私の学生時代の分析化学の研究は、今の設備導入の仕事に直接は活きていません。それよりも、入社してから現場で学んだGMPの知識や製造の経験の方が役立っていますね。

Yさん

僕も専攻が直接活きているわけではありませんが、「気になったらすぐ調べる」という学生時代からのスタンスは仕事に役立っています。広く浅く色々なことを知っていると、様々な部署の人と話す時にコミュニケーションがスムーズになります。入社後は、人に何かを提案したり、説明したりする際に、自分の考えを言語化して分かりやすく伝えるスキルが身についたと思います。

いつかチャレンジしたいことはありますか?

Kさん

僕は上司との面談で、「自分の名前が残るような、大きな仕事をしてみたい」と話していました。それがきっかけで、今回、新棟の立ち上げというビッグプロジェクトに参加させてもらえることになりました。中外製薬工業は、若手の「やりたい」という声をきちんと聞いて、挑戦させてくれる会社だと思います。まずはこのプロジェクトを成功させることが目標ですが、将来的にはさらに新しい領域にもチャレンジしていきたいです。

Sさん

まずは、培養も精製も、どの建屋の製造でも対応できる「バイオのマルチプレイヤー」になることが目標です。チームをまとめるマネジメント業務にも興味があるので、将来的にはマネージャーを目指してみたいです。

Yさん

これまでは広く浅く様々な経験をしてきたので、これからは何か一つ「これならYさんに聞けば大丈夫」と言われるような、自分のコアとなる深い専門性を身につけたいです。そして、将来的には工場全体がうまく回るような、マネージャーのような立場で貢献していきたいと考えています。

就活生へのメッセージ

Sさん

自分の知識が通用するか不安かもしれませんが、心配いりません。中外製薬工業は教育制度が手厚く、困っている人がいたら必ず誰かが助けてくれる温かい雰囲気の会社です。
タイトなスケジュールでも、自然と皆で協力し合えるんです。皆で一丸となって製造を乗り越えるのは、学生時代の部活のようで、気持ちはあの頃と変わりません。安心して飛び込んできてください。

Kさん

入社前に完璧な知識は必要ありません。入社後必要な知識は先輩方が教えてくれますし教育体系はしっかりしているので安心して下さい。大切なのは、入社してから学ぶ意欲と、挑戦したいことに手を挙げる勇気。知識がなくても、周りがサポートしてくれます。主体的に動ける人なら、きっと活躍できるはずです。

Yさん

就職がゴールではありません。就職してからが本当のスタートです。中外製薬工業には、入社してからでも選べる道がたくさんあり、プライベートを含めて世界がさらに広がっていく楽しさがあります。コミュニケーションは、ただ話すだけでなく、相手の話を「聞いて、理解する力」も大切。当社には、そうした力も高めていける環境があります。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。

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※所属および掲載内容は取材当時のものです。

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